①ニュース性
毎日新聞社が11月25日に報道した「<1分で解説>高市首相台湾発言『問題あり』25% 毎日新聞世論調査」で、高市首相の台湾発言について「問題あり25%」と見出しで強調した一方、実際の世論調査では「問題があったとは思わない」が50%を占めていた。
記事冒頭のリード文においても「問題あり」のパーセンテージだけを記載し、記事後段のQ&Aでのみ圧倒的多数を占めた「問題なし」のパーセンテージを報じている。
②事実言明
毎日新聞社が11月22、23日に実施した世論調査の解説記事で、見出しとリード文で、高市首相の台湾発言について「問題あり」のパーセンテージを強調した。記事後段のQ&Aでは「問題なし」とする意見が50%を占めていると記述した。
また、「Q 台湾有事を巡る高市首相の国会答弁ってなんだっけ?」に対し、「A 高市首相は7日の衆院予算委員会で、台湾有事が集団的自衛権を行使できる『存立危機事態』になり得る、と発言しました。」と回答している。
③対象
解説記事の見出し、リード文、Q&Aを対象とする。
④レーティング(:×:偏向・不適切報道)
解説記事の見出しは、不適切である。また、リード文では「問題あり」と「問題なし」のパーセンテージを併記すべきだが、少数意見の「問題あり」だけを記述し、読者のミスリードを誘因している。
また、Q&Aで触れられた高市首相の国会答弁について、「武力攻撃の発生」という重要な要素を省いており、不正確な解説がなされている。
記事全体のレーティングは「偏向・不適切報道」と評価せざるを得ない。
⑤検証
台湾有事を巡る高市首相の国会答弁について、世論調査では圧倒的多数の50%が「問題なし」と答えているにも関わらず、記事の見出しでは「問題あり」の25%を強調している。併記もせず、少数意見を優先して報じるのは合理的説明ができない。よって、不適切報道と評価する。
また、Q&Aで高市首相の国会答弁で「台湾有事が集団的自衛権を行使できる『存立危機事態』になり得る」と解説しているが、実際は台湾有事で「武力攻撃が発生したら、これは存立危機事態にあたる可能性が高い」と述べている。解説記事では武力攻撃に触れられておらず、答弁の意図を正しく報じられていない、よって、不正確と評価する。
なお、高市首相の国会答弁は、11月7日の衆院予算委員会で岡田克也氏(立憲民主党)が質問し対するものである。
岡田氏は質問の中で「例えば、自民党副総裁の麻生さんが昨年1月に、ワシントンで『中国が台湾に侵攻した場合には存立危機事態と日本政府が判断する可能性が極めて高い』という言い方をされています。安倍さん自身も『台湾有事は日本有事』、ここで有事という意味がよくわかりませんけども、何か非常に軽々しく、私は問題を扱っているんじゃないかという風に思うんですね」と言及している。
台湾有事を巡る高市首相の国会答弁は報道がエスカレートしており、実際の国会答弁を確認することが推奨される。
朝日新聞社が11月7日に「高市首相、台湾有事『存立危機事態になりうる』 認定なら武力行使も」と初報を配信。その後に、「高市首相、台湾有事『存立危機事態になりうる』 武力攻撃の発生時」と見出しを変更した。朝日新聞社は批判を受けて変更したものではないとしている。
⑥情報源の開示(引用元)
・<1分で解説>高市首相台湾発言「問題あり」25% 毎日新聞世論調査(毎日新聞社、2025年11月25日)
・衆議院予算委員会ビデオライブラリ 岡田克也(立憲民主党・無所属)(2025年11月7日)
・高市首相、台湾有事「存立危機事態になりうる」 武力攻撃の発生時(朝日新聞、2025年11月7日)
・朝日新聞 見出し変更の説明(朝日新聞、2025年11月21日)
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